地盤調査 -土地の健康診断-
どれも同じように見える土地ですが、地域や場所によって地盤の構造や性質は大きく異なります。どんなに優れた耐震性・耐久性をもった建物でも軟弱な地盤の上では全く意味がありません。軟弱地盤は家の重さに耐えられずに不均等に沈下する『不同沈下』をおこします。このような事故を防ぐために地盤調査は行われます。地盤の状態をしっかりと把握した上で、その地盤に適した措置を行うことが家づくりにおいて何よりも大切なことなのです。地盤調査は人間にとっては健康診断を受けることと同じ意味をもっているのです。
スウェーデン式サウンディング試験(SWS)

スウェーデン式サウンディング試験は、北米のスウェーデン国有鉄道が1917年頃に不良地盤の実態調査として採用したのが始まりで、日本では1954年頃に建設省が堤防の地盤調査として導入したのが最初と言われています。
1976年にはJIS規格に制定され、現在では、戸建住宅向けの地盤調査として最も実施されている試験となりました。この試験は、荷重による貫入と回転貫入を併用した原位置試験であり、土の静的貫入抵抗を測定し、その硬軟またはしまり具合を判定すると共に、土層構成を把握することを目的とされています。
試験方法
現在では手動式、半自動式、全自動式などいろいろな方法があります。簡単に説明しますとハンドルのついた棒に重りを載せたまま回転をさせ、決められた深さまで貫入していきます。固い地盤であれば、回転数が多くなり、柔らかい地盤の場合は回転数が少なくなります。また軟弱地盤の場合は重りを載せただけで棒の先端から沈むこともあります。
地盤改良 -安全な生活を送るために-
地盤調査の結果、地盤に何らかの異常が認められた場合は、基礎工事の前に、その対策を考えなければなりません。FESでは地盤調査データーをもとに地盤調査会社・地盤改良業者と綿密な打合せを行い、その土地に最も効果的な改良方法を選択します。ここでは改良工事の中でも代表的な2つの工法を紹介いたします。
鋼管杭工法
支持杭方式
支持杭は杭先端部分を強固地盤(支持地盤)まで到着させ、主として杭の先端に上向きに働く先端支持力によって荷重を支えます。
柱状改良工法
摩擦杭方式
摩擦杭は杭先端を強固地盤(支持地盤)まで到達さ
せず主として杭の側面と地盤との間に働く周面摩擦
によって荷重を支えます。支持層がかなり深い場合
に採用される方式です。
ベタ基礎
地面との設置面積を広くとり、地面にかかる圧力を低減させるべた基礎。
通常の布基礎に比べ、コンクリ-トベース面で建物を支えるため荷重を分散しやすく、最小限の地耐力で建物を支持することができます。
また、地震時に伝わる力も分散できるので力の集中による基礎の破壊も防ぎます。さらに地盤の上にコンクリートの床面があるので、地面からの湿気や害虫なども寄せつけにくい構造にもなっています。耐震性・耐久性を兼ね備えた基礎になります。